冒険女王

  • 冒険女王 / 大高未貴

北京からイスタンブールまで列車で旅した女性の旅行記。あまりに過酷な旅、かつ女性一人なので、各地であう人に旅をとめられるが、結局、イスタンブールまで行ってしまう。たいした旅の動機はなかったようだが、このパワフルさはどこから出てくるのか。この人もやはり人との出会いに恵まれている。素直な性格のおかげなのか。
中国の長距離列車のすざましさをはじめて知った。北京からウルムチまで約一週間、席がなければ膝をかかえてうずくまるしかないし、そのスペースすらなければ立ったまま列車の中で一週間をすごす。時には、あまりの過酷さに精神に異常をきたし、自殺者がでることもあるらしい。まさに自殺列車。カザフスタンウズベキスタンの公共機関のむちゃくちゃさに関する話も面白い。ソ連がなくなって、国全体が混乱し続けているようだが(1990年代なかばの旅行記)、今はもっとましになっているのだろうか。